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戒壇巡りのように片手で壁に
そっと触れて よろよろと歩む
ひとりでは歩ききれないかと
思えるほどの深い闇の中を

または 壁は燦々と日の照らす
すでに朽ちた城址のように
そこにあるので ぐるりと巡らされた
灰色の表面に手を触れ
壁の記憶の鼓動を聴く

すべては最初から決まっていたことのようでもあり
すべてはあらかじめ損なわれているようでもあり
時は刻々と失われていくようでもあり
経る月日はそこかしこに留まっているようでもある

笑顔が深い謎を呼び覚ますけれど
それを解こうとするのはもう止めにして
壁の歪み 壁の柔らかな感触を想起し
壁の語りかけてくる静かな声に耳をすませる

わたしのこころに張り巡らされた壁
あなたへ向かう意志を挫くような
あなたのこころの壁

それらを超えたいと願い
手を伸ばし 星を見つめ 夜を走る

超えた先に 何もなくても
求めた軌跡は点々と
モザイクのように残るから
こぼれた記憶をつないで

わたしの生きた よすがとしよう

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