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2008年12月

2009年の夢


一日切り替わっただけで
もう新しい年になる

じわじわっとひろがる
来年に向けての 夢

泣き顔すらいとおしいように
挫け 叶わない夢ですら
心に抱くことができたら

それはとてもさいわいなこと

あなたに わたしに
あたらしい うつくしい一年を

そしてゆきすぎていくこの一年の
背中に向かって さよならを

いくつかの夢をみて
またあたらしい年も
あるいていくのだな

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飛ばして進め
読みあぐねたページ
たいくつなメール
的外れな好意

自由に進め
立てた予定のことや
ふと思い浮かんだ面影や
TO DOリストの行方も
だいじだけど

いまこのとき は いましか ないから

ひとのことばを代弁するひまがあるなら
蚕がその糸を紡ぐように
あなたはあなたのことばを
そして
わたしはわたしのことばを

見てもいないTVを消して
あてどないネットサーフィンの波から降りて

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外は雨だけど
コートの襟を立てて 足早に
水たまりを踊るようによけて
進め

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世が世なら、雪


081214_20430001

東京には冬のつめたい雨が降り
ふっとやんだ

見上げた空には十六夜の月
世が世なら このつめたい雨は きっと雪

きみの長い睫毛の上に
「My Favorite Things」の歌詞のように
降り積もったら
どんなに美しかっただろう

さよなら

凍てつく冬の空
赤く光る月
硬度を失いめり込むように
ぬめらかなアスファルト
倒れ込むような体感の中で きみを思い出す

さよなら

実際には告げられなかった別れの言葉
ほんとうは精緻に記憶していない その面影

さよなら

最後に会った日
確かめるすべもない
その日は快晴の冬の空
つめたい風の中
改札の前で わたしたちは別れ
再び会うことはなく
月日だけが流れ

さようなら

最後にその五文字を告げる機会を逸したことで
きみは永遠にわたしの中で生きている

最初に会ったのは初夏
次に会ったのは秋のはじめ
最後に会ったのは快晴の冬

雨も 雪すらも 一度も降ってはいない

きみをおもう 今宵は
雨上がりの 冬の空
月が光る冬の空

きみ去りてのち
東京はあたたかだよ
コートがなくっても過ごせそうだよ
きみがふれた トグルのあるダッフルコートは
とうに捨ててしまった

こんな夜に 雨が降るたびにおもう
世が世なら これは雪
この地平に降り積もり
別の時間軸では
きみとわたしは電話でよしなしごとを語り合ったり
夜半のカフェでココアを飲んだり
いくらか楽しく過ごしていたかもしれないね

きみの睫毛に降り積もる雪を幻視する
きみとする会話はどんなだったろう
きみはどんな風に どんな声で 笑っただろう

くれた手紙までなくしてしまった
記憶を持ち続けていなくてもかまわないよ と
言わんばかりに かき消えるように
わたしよりも何歩も先に 違う世界へ

きみが見ていた景色をおもう
そこにもし冬のつめたい雨が降っていたなら
それは きっと 世が世なら、雪
わたしたちの上に降り積もる
つめたい頬 つめたい手のひら

つめたくってごめんね

答えられなかったけれど
そんなことは気にしないで
そんなものいくらでも この手で あたためるから

わたしたちの上に 降り続けるのは
世が世なら、雪
真白な雪
すべてをかき消して それでも降り続ける

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